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やんばる名画同好会


同好会推薦作品紹介

1/17(土)〜30(金)、やんばる名画同好会推薦作品

●「コーリャ愛のプラハ」(ヤン・スビエラーク監督)

を上映。

前売り券900円、当日券1200円
同好会会員当日券1000円

上映時間
平日×2:004:156:30(終了8:15)
土日祝12:002:004:156:30(終了8:15)
※1/27(火)は、2:00のみの上映です。


ヤン・スビエラーク監督作品

コーリャ愛のプラハ


心の襞を照らす光


 “社会主嚢国のグータラ”フランティ・ロウカは55才で独身。職業はチェリストである。かつてはチェコ・フィルの首席奏者まで務めたほどの実力者だが、今は葬儀の際の追悼歌の伴奏やらなにやらで喰いつなぐ身に落ちぶれていた。なぜだって。いやなにたいしたことじゃない。楽団のマネージヤーの裏方とちょっと“親密”になりすぎたくらいのことだったのだ。ロウカにすれぱなにほどのこともないのだ。独身だし、追悼歌を唱うクララは亭主持ちながらいつだってペッドをともにしてくれるし、別段、今日のパンに困るわけでもない.ロウカはこんな“社会主義”も悪くないと思っていた。ただ、毎日大きなチェロの移動には往生していた。なにしろ車がないのでいつも電車なのだ。彼の望みはただ一つ。その車トラバントを買う金が欲しかった……。

 ペルリンの壁崩壊の前年、1988年、そろそろ、民主化裏求の激しくなってきたチェコの首都プラハを舞台に、気ままな独り暮らしを楽しむ男と、ひょんなことから彼が関わっていく5才の少年コーリャとの牧歌的な交流をエキゾチズムたっぷりと、繊細に美しく描き出す感動作「コーリャ愛のプラハ」。

 1996年秋に行なわれた東京国際映画祭では「満場一致」(審査委員長シルベルマン氏のスピーチ)でグランプリに選出され、会場を大きな感動で包んだ。97年には1月にハリウッドで行なわれる「ゴールデングロープ賞」の最優秀外国語映画賞に選出され、「秀作」の誉れは決定的になった。激動するいまの世の中で、プラハから発せられた心暖まるヒューマンなドラマが、世界中に届きつつあるといっていいだろう。

 さて、車が欲しいロウカに耳寄りな話がもち掛けられる。持ってきたのは若い友人のブロスだ。ちょっと危ないことで金を稼いでいる子沢山の男。モスクワから来る女がいる。彼女がチエコの身分証明書を欲しがっていて、その取得のためにロウカに偽装結婚してくれないかというのだ。礼金は4万コルナだという。いちどはきっぱり断ったロウカだが結局‘金に転んで”引き受けてしまう。やがて女はさっさと西独へ遁走し、ロウカの手許にはとんでもないお土産が残された。5才の息子コーリヤその人であった……。

 実は映画はここから佳境を迎える。もうほとんど“大物俳優”と呼んでいいくらいのロシア人の坊やアンドレイ・ハリモンの演ずるコーリャに観客のすべてが屈服することになる。チェコの英雄的名優ズディニェク・スピエラークもほとんどこの坊やにはもうなすすべがないといった格好だ。

 ヤレヤレ、参ったナと思っていたロウカが仕方なしにコーリャの面倒を見始めると、2人の間にそれぞれ暖かい感情が通いあっていく。ロウカには“父”という以上に人間的な崇高な気持ちが育ち、コーリャにはロウカへの強い信頼の意志が確固たるものになっていく。このプロセスを、映画は美しく、ユーモラスに、やわらかく描いていって静かな感動を生み出していく。

 監督は32才のヤン・スビエラーク。脚本はその父ズディニェク.彼は同時に主役のロウカを味わい深く演ずる。ヤンはチェコ映画界期待の若手で、日本公開は96年に「アキュームレーター1」というSFがある。ズディニェクはチェコでは有名な俳優で、舞台、映画、テレピと活躍。小説も書く才人である。親子揃って96年、東京国際映画祭に来日した。プロデューサーはイギリス人のエリック・アプラハム。世界中へのセールスにも凄腕を発揮した。コーリャのアンドレイ・ハリモンはモスクワのオーデイションで約700人くらいの子どもの中から選出された‘子どもの持つ天与のあらゆる表情をどうぞご堪能頂きたい。(上映時間1時間45分)


「この映画はロシアの5歳の少年コーリャを通して、人間の誇りに目覚める物語だ。可愛らしい少年の無垢な瞳、無邪気な行動そして純度の高い感性などが、画面の全般に描かれていて飽きることがない。  コーリャを取り囲む人間関係は、まさに旧ソ連とチェコが置かれた歴史と現状の投影でもあるかのようで興味深い。筋を追うだけではない原作・脚本の深みが、この映画の個性であり魅力になっている。  物語は尻上がりに高揚していく。父ズディニェク・スビエラークの脚本と主演、その息子ヤンの演出の二人三脚は、さすがに充実している。人間としての誇り、本当の愛、芸術の責価とは何かを、淡々とした流れの中で深く問いかけてくる作品だ。」
大石芳野(フォトジャーナリスト)

1997アカデミー賞外国語映画賞受賞
1997ゴールデン・グロープ賞外国語映画賞
1996東京国際映画祭グランプリおよび脚本賞各賞受賞

ズディニェク・スビエラーク/アンドレイ・ハリモン
リブシェ・シャフラーンコヴァー/オンドジェイ・ヴェトヒィ
ステラ・ザーズヴォルコヴァー
プロデューサー:エリック・アブラハム
監督:ヤン・スビエラーク 脚本:ズテシニエク・スピエラーク
撮影:ウラジミール・スムットニー 音楽:オンドジェイ・ソウクップ
原案:パヴエル・タウセック 美術:ミロシュ・コホウト
日本語宇幕翻訳:吉岡芳子 チェコ語監修:伊川久美子
宣伝デザイン・イラスト:渡邊良重
予告篇製作:S・E・R

1996年チェコ・イギリス・フランス合作
配給 シネマテン 原作 集英社

やんばる名画同好会のホームページ
http://yanbarumeiga.infoseek.ne.jp/